旅・たび・にっき

旅や乗り物関連のお出掛け話のブログです

ダイヤ大改正さよならの旅・1日目

朝のラッシュが始まる直前くらいに家を出て、北千住駅から上野駅に行った。
時間には余裕があるので、廃止になる列車などの写真を撮り、駅弁を買って、特急「あさま3号」に乗り込んだ。


定刻通りに出発したが、隣の席は空いている。<鳥めし弁当>を開き、食べ始めると、大宮駅で隣席の人が乗ってきた。
車窓を眺めたり、新聞を読んだりしていると高崎駅に着いた。あと20分ほどで横川駅に着く。禁煙席は取れなかったが、ここまであまりタバコのにおいを感じることなくきた。しかし、あと数分というところで隣席の男性が吸い始めた。喫煙席である以上、文句も言えない。何とか耐えていると横川駅に到着した。

すでにホームはファンでいっぱいだ。峠のシェルパことEF63型機関車の連結作業をカメラに収めようとファンが群がっている。なかなかすごい光景だ。
上野駅から乗ってきた「あさま3号」もEF63に押されて横川駅を出発していった。



私もホームで1時間ほど粘り、これまた今回のダイヤ改正で廃止となる特急「白山」や上りの「あさま」などをカメラに収めて、改札を出た。



駅周辺もすごい人だ。ただ、最終日前日で、最後の土日明けの月曜日ということで、思っていたほどではない。
駅のすぐ近くの踏切を渡り、線路に沿って軽井沢方面に向かって歩き出した。
踏切にはアプト式レールが。わかりづらいけど、水路の蓋みたいに見えるやつね。

歩いていると、立派なカメラ(望遠レンズ)を構えた人が数メートルおきくらいに列車が来るのを待っている。時計を見ると、そろそろ下りの「あさま」が来る時間になったので、歩くのをやめて、しばらく待った。すると、ほどなくEF63に押されて「あさま」がやってきた。すかさずシャッターを押して、再び歩き始める。

途中で線路を渡り、さらに歩くと正面に重要文化財にも指定されている旧丸山変電所が見えてきた。ここのカーブは第一トンネルがすぐそこに見える撮影の絶好ポイントで、実にたくさんのカメラが並んでいた。
私は旧丸山変電所の写真だけ撮って、引き返した。

駅近くまで戻り、今度は国道を歩いてめがね橋の所まで行く。
途中でスタミナが切れ、自動販売機で紅茶を買い、エネルギー補充をしながら歩いた。本当にこの道でいいのか自信がなかったのだが、カメラを持った人が追い抜いていったので、大丈夫だろうと安心して歩き続けた。
1時間ほど歩いたところに売店があり、そこの看板にめがね橋まで2キロの標示があった。あと30分だと思い、さらに歩く。
と、旧中山道の入り口を発見。旅前に本で仕入れた予備知識によると、たしか旧中山道を行けば絶景ポイントに行けるはずだ。少し考えた末、山登りを始めた。汗だくになりながら山道を行くが、まったく視界が開ける気配がない。あまり無理をして帰れなくなるとまずいので、時間に区切りをつけ、その時間になっても気配が感じられないようならあきらめようと決め、もうしばらく山道を行った。
失敗だった。結局、疲れただけで戻ることになった。余計な予備知識を身につけてきてしまった。顔からは塩をふいている。
国道に戻った時点で再び時計とにらめっこ。かなり時間的にきついと思うが、めがね橋方面に歩き始めた。駅からずっと上り坂で、かなり疲れてきている。
いろは坂のようなカーブが連続する道路を歩き続けていると、自動車がたくさん止まっている。ここに違いないと思い、近づいていくと、そのカーブの向こうにめがね橋が。
やっと着いたなどと喜んでいる暇もなく「来た」の声が。めがね橋の向こうにEF63に引かれた列車が走っている。すかさずシャッターを押した。これを見るために(撮るために)ここまで歩いて来たのだ。めがね橋を見るだけなら今日である必要はない。明日でめがね橋の向こうの線路も旧線となり、二度と列車は走らなくなってしまう。だからこそ今日なのだ。グッドタイミングで列車が来てくれた。あと3分遅かったらと思うと、ぞっとする。



しばらくの間、眺めていたい。できれば、もう1本列車が来るまで待っていたい。しかし、それでは予定の列車に乗り遅れる可能性が大だ。というより、まず間違えなく乗り遅れる。目的が碓氷峠だけなら、1本くらい乗り遅れても大したことはないが、まだ大事な目的が残っているので、乗り遅れるわけにはいかない。後ろ髪を引かれる思いで、現場を後にした。

振り返って、もう1枚。

帰りはおおよその時間がわかるので、余裕をもって旧線のトンネルなどを写真に撮りながら歩いた。



足の裏と膝がしゃれにならないくらい痛かったが、あと30分、あと15分などと自分を励ましながら歩いた。なんとか駅にたどり着いた時には、ぐったりだった。
まだまだ人でいっぱいの横川駅。


横川駅で最後の1枚。ヘッドマークへの寄り。

軽井沢駅までの一駅、特急券を購入しようかとも思ったが、切符売り場には長蛇の列ができている。朝、自分が乗ってきた列車の状況を考えれば、デッキまでいっぱいだったので車掌さんは来ないだろうと思い、買わずに乗車した。来たら車内で買えばいい。
列車に乗り込むと、思いのほか乗客は少ない。人のいないデッキを見つけ、左サイドのドアをキープする。2つ目のトンネルを抜けると左側に先ほど行ってきためがね橋が見えるので、それを車内から撮影するためだ。これは予備知識があって良かった。

結局、軽井沢駅まで特急料金を払わないまま到着。いったん下車して、次に来る普通列車を待つ。
すぐ隣には、開業を2日後に控えた新幹線のホームと車両が見えた。

普通列車とEF63のコンビも写真に撮り、その列車に乗って、軽井沢駅を離れた。
普通列車の車内から見たEF63。

普通列車長野駅まで行き、乗り換え。長野駅からは、これもまた廃止になる急行「赤倉」に乗る。
発車前にサボなどを写真に撮っていると、鉄道ファンらしき人ふたりに頼まれ、「赤倉」をバックに写真を撮った。


発車し、日本海に出るころには真っ暗になっていて、景色はほとんど見えない。目の前に海があるはずなのだが。外を見てもつまらないし、雑誌も買いそびれた。ただ乗っているだけの3時間になってしまった。乗りに来たのだから、それでもいいのだが。

終点の新潟駅に着き、先頭車両の写真を撮ろうとホームの端まで歩いて行くと、ふたりほど写真撮影をしていた。先頭車両には「ありがとう赤倉」のヘッドマークがついていた。


改札を出て、ホテルに向かう。途中、歩道橋を下りる時に膝が痛くて痛くて、一段一段必死になって下りた。
チェックインしてすぐにホテルを出、足を引きずるようにして駅まで戻った。構内の店で父へのおみやげに<えちごビール>を買った。さらに、コンビニで明朝用のおにぎりを買い、吉野家で夕食に牛丼を買ってホテルに戻って食べた。

駅周辺で一番安いホテルを選んだら、ベッドは固くて眠れないし、テレビは今どき1時間100円だし、お茶はエレベーターホールまで入れに行かなくちゃいけないし、大失敗だった。