旅・たび・にっき

旅や乗り物関連のお出掛け話のブログです

鳥取砂丘と城・球場巡りの旅・2日目

寝台の中で目覚めてしばらくすると、香住駅(6時57分発)から寝具の回収をするという放送が流れた。洗面所で歯をみがき、席に戻るとシーツなどはすでになくなっていた。
再び通路の椅子で外を見ていると、余部鉄橋にさしかかった。けっこう期待していたのだが、特になんということもなかった。

7時53分、鳥取駅到着。

「出雲3号」とは、ここでお別れ。

コインロッカーに大きな荷物を突っ込んで、スポーツ新聞を買ってからバス乗り場に移動した。新聞は負けたにも関わらず阪神が一面だった。さすが、西日本。
砂丘方面行きのバスに乗り、20分ほどすると、砂丘が見えてきた。一緒にバスを降りたのは6人ほどだ。ひとりはぐれて歩き、あまり人が入らないような所から砂丘に侵入した。
目の前には黄色っぽい砂が一面を満たしており、正面には壁のような山のようなものがあり、海は見えない。
写真を撮るのにいいアングルを見つけたが、団体客の写真撮影用ベンチが邪魔をしている。どこの観光地に行っても、必ず邪魔物は存在する。

まだほとんど足跡のついていない砂丘をゆっくりと歩く。何人か歩いている人はいるが、近くにはひとりもいない。遅くなると足跡でいっぱいになってしまうと聞いていたが、まだ風紋はしっかりと残っている。きれいなものだ。
そのまま歩いていると、先ほど遠くに見えた砂の壁が目の前に迫ってきた。消えかかってはいるが、いくつか足跡が見えたので登れるだろうと思い、登り始めた。なにせ壁に見えるくらいだから、その角度はかなり急だ。一気に登らないと足場が足場なだけに滑り落ちてしまうと思い、一気に駆け上がった。足を取られつつ登りきると、比較的平らな場所に出た。そこをさらに歩くと、眼下にようやく海が見えてきた。

平らな所に座りこみ、海を見ながら大量に靴に入りこんだ砂を出した。しかし、この砂、さらさらしているせいか、靴に入ってもほとんど不快感はなかった。
風紋をアップで撮ろうとカメラを砂の上に直に置いてシャッターを切り、もうしばらく海を見ていた。


見ていたら、やはり海水に触りたくなる。さっきの登りほどではないが、かなり急な坂を今度はゆっくりと下った。水を含んで黒くなった砂の所まで行き、じっと海を見つめ、海水に触れた。やっぱり気持ちいい。
それから来た道を引き返し、人がたくさんいる方へ移動した。この頃になるとかなり人も増え始め、どんどんと坂を登ってくる。しかし、こちらは私が登った所とは違い、小さな子供でも登ってこられるような、なだらかな坂だ。
これ以上人が増える前にと思い、砂丘センターへ向かうリフト乗り場の方へ歩き始めた。さすがにずっと砂の上を歩いているのは疲れる。かなりハードだ。
途中、記念撮影用のラクダがいて、カップルが乗って写真を撮ってもらっていた。
リフトでセンターまで行き、みやげ物屋をのぞいたが、あまりいい物もなかったので、次の目的地に移動することにした。

駅に向かうバスに乗ると、乗ったのは私を含めて3人だけだった。
途中で降りて、鳥取城址へ向かう。ここは天守閣がないので、石垣を写真に収め、二の丸跡まで登ってみた。


天守閣跡までは約25分と看板にはある。次の列車までの時間を考え、登ってみることにした。道は延々と階段が続く。とはいっても、半分自然の階段で、整理されたものではない。最近の運動不足がたたったか、半分行く前にはすでに息が上がってしまい、Tシャツは汗でビチョビチョだ。
なんとか天守閣跡にたどり着き、集会所のような所でTシャツを脱ぎ、一休み。しかし、汗はなかなかひかない。少し落ち着いたところで、砂丘で買ってきた絵ハガキを書き、すぐ隣の天守台に行ってみると、遠くに砂丘が望めた。

周りには親子連れの姿も多数見かける。標高296メートルと家族でのピクニックにも最適のようだ。にも関わらず、帰りは疲れで膝が笑っていた。完全な運動不足だ。しっかし、疲れた。
当初は歩いて帰ろうと思っていたのだが、バスで駅まで戻った。

鳥取駅構内の店で地域限定の二十世紀梨ジュースなどを買い、ホームに上がった。
9月のダイヤ改正での廃止が噂されている急行「砂丘」に乗り込み、因美線を進む。
急行「砂丘」。
車内の温度計を見ると、30度となっている。暑い。さすが気動車といった感じで、ちょっとけむい。

約1時間で美作加茂駅に到着。ここは島田荘司氏の『龍臥亭事件』の舞台となったと思われる所だ。小説内では駅名に仮名が使われているが、ここで間違えないと思われる。
駅前はさびれていて、すでに使われなくなったと思しきバス停がひっそりと立っている。


かろうじて店が一軒だけあるが、閉まっている。駅も駅員はいるのだが、無人駅のような雰囲気だった。


次に乗り込んだ普通列車は古い感じの気動車で、運転席がまる見えだった。途中、車掌さんの「高野」のアクセントに関西を感じた。
30分で津山駅に到着。
津山城跡に行くと、さくらまつり開催中ということで、かなりの人出があった。思ってたよりも駅から遠く、着くまでに時間がかかったのと、さくらまつりのため入城料が必要だったので、外から石垣を見て写真を撮っただけで駅に戻った。

津山駅からは姫新線新見駅まで行く。ちょうど下校時刻と重なったらしく、高校生の姿が目立つ。しかし、その姿も美作落合駅まで。再び車内は空いてくる。
新見駅からは特急「スーパーやくも」で松江駅まで行く。日曜日のせいか、2両しかない自由席は満席だった。仕方なく、デッキで荷物を置いて壁に寄りかかっていた。車内販売は終了したらしく、すぐ隣では車内販売員の女性が片づけをしている。それを見学しているのは、なかなか楽しかった。あと20分ほどで松江駅に到着するが、米子駅で席が空いたので座った。

松江駅に着くと、松江アーバンホテルはすぐに分かった。チェックインし、一日中歩き回って疲れた体を風呂で休め、ゆっくりと眠った。